まだ小学生だった
ボクはみほちゃんが大好きだった
大好きなのに大好きだと言えなかった
いつもなかよく話しているのに
なぜそれだけは言えないのかがさっぱりわからなかった
将来の話をした
「ボクは小学生、中学生、高校生、大学生になって大人になって仕事をするんだ」
みほちゃんは聞いた
「それから?」
ボクはこたえた
「結婚する・・・」
みほちゃんもボクもそのまま恥ずかしくてだまってしまった
みほちゃんの気持ちはボクにはわからない
大人になったボクは今年も桜を見ている
みほちゃんもきっとどこかで桜を見ている
風に吹かれて散る桜
思い出は散ることなく春になるとまた花を咲かせる