天気の良い午後
歩いていると
少し先に雀たち
何か懸命についばんでいる
気付かれないように
そっと
通り過ぎようとしたけど
雀たち
やっぱりパタパタと飛び上がってしまった
ゴメンね
驚かせたり怖がらせる気持ちなんて少しも無いけれど
驚かせて怖がらせてしまったね
ゴメンね
ボクが通り過ぎたら
また食べに戻っておいでよ
とっておきのごちそうを
ここに来るまでにこんなにも時間がかかった。
出会った頃はボクも若かったしキミも若かった。
キミを喜ばせようとボクが走り回り、
キミはボクのために寝る間も惜しんでくれた。
気づけば歳をとった。
それでもそんなことは気にならなかった。
気にならないほどボクたちは充実していたし、
喜びに満ちた日々だった。
今、目の前には何もない。
あるのは記憶の中のキミの笑顔だけ。
そっとしておこう。
そっとしておきたい。
繰り返し自分に言い聞かせる。
それでも忘れ得ぬ記憶。
長い時間をかけて積み上げたものを崩すのに、
時間は必要なかった。
誰も悪くない。
誰も悪くない。
誰かが悪ければ、その誰かを責めれば解決するかもしれない。
でも、誰も悪くない。
目の前に果てしなく続く道を気にしながら後ろを振り返ると、
今まで歩んできた果てしない道が見える。
これからの道がこれまでの道の長さを越えるには、
うんざりするほど時間がかかるだろう。
いや、もしかしたら二度と超えることは無いのかもしれない。
目の前のはるか遠くに果てしなくかすかな光が見える。
あれは希望の光だろうか。
今はただ、その光を信じ、新しい一歩を踏み出すだけだ。
通る道は違っていても、見ている光はキミもボク同じかもしれない。
そう思うとき、ボクの体はもうボクの体ではなくなるのだ。
かすかに聞こえるキミの声。
叫んでもかすかにしか聞こえないボクの声。
お互いがそれを感じ取ったとき、
希望の光は現実の光へと変わる。
ぶぶか、というラーメン屋さんで食事してたんですよ。
そしたら、隣の若い男性のお客さんが、
「俺は攻めてやる!攻めて攻めてビッグになってやる!」
と熱く語っているのが聞こえてきて、威勢がいいなあと思っていました。
そこへ店員さんが、
「『草食系』油そば、お待たせしました〜!」
男性「あ、はい」
ボクは口に入れていたチャーシューを噴き出しました。